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通学時間。
これほど暇で寒い時間はない。
俺の通る通学路は俺以外の誰ひとり通らない。
理由は一つ。
気味が悪いから。
俺の友人たちはそう口を揃えて答える。
しかし、俺にはそうは感じないのだ。
この事にバカな友人は、鈍感だ、心がないだの意見を述べてくる。
確かに夜に不審者がいたとか帽子を被った骸骨男がいたなど噂は絶えない。
そのような通学路にわざわざ通る理由は一つ。近いからである。
違う道を使うには長い坂道を上がって行かなければいけない。
俺もこの高校に入ってから気付いた。
俺は一回も見学に行った事がなかったので最初からこの道を使っていた。
これに気付いたのが一緒の高校に通う友人の一人である。
その友人はバカだが根は優しい。しかし、バカである。
学校に近づくにつれて生徒が増えてくる。
長い階段。朝の高校生にはつらすぎる課題だ。
真中「よっ!悠一」
噂をすれば何とかだ。皆さん、バカが来ましたよバカが。
真中「朝からテンション低いじゃねぇかよ。上げてこうぜ~」
悠一「うるせーな、俺は低血圧なんだよ。あと俺の名前を下で呼ぶな」
真中「いいじゃねぇか。天龍悠一くん!」
なんかしらんがコイツと絡んでると溜息が出るな…
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