一人って寂しいことか?まぁ誰かと居るってことは幸せだけどね…

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朝飯を食べて制服をきる 今日はなぜか早く目が覚めたのでいつもより 30分も早く家を出た 数分歩いて学園に着く 授業開始までまだ1時間もある 春人は何気なく 昨日の大きな桜の木に向かった その前に立って 幹に手をあてた 「お前でっけなぁーずっとここで皆を見守ってるのか? 俺もお前みてぇに誰かにとってでっけぇー存在になりたいよ」 はぁと白いため息をつく 「は~るっとく~ん」 と声をかけられて ビクッとして辺りを探す しかし誰もいない 「反対側だぉ」 幹の反対側を見ると昨日校門前で会話した女のコがいた 「春人君なにくさいセリフ朝からつぶやいてるの? 笑っちゃったよ」 クスクスっと笑っている 顔が真っ赤になっているのがわかった 「な、なんでもねぇよ つかお前誰だよ」 必死で話題転換した 「えっ?私の名前? えっと教えないっ」 と笑いながら後ろで手をくんで幹の周りを跳ねるように回る (カワイイなぁ) 「うーそ、私の名前は川岸 桜だよ」 「じゃあ川岸さん なんでここにいるの?制服じゃないし見たことないし」 「桜でいいよ//」 なぜか照れながら言う桜 「あっじゃあ桜はなんでここに?」 思わず名前で呼んでしまい照れる春人 今まで女のコを名前で呼んだことすらなかったので 少し恥ずかしくなった 《春人君照れてるよ、カワイイ》 (やべっ顔に出てるのかな?) 必死で直そうとした 「じゃあこれから私も春人って呼ぶからね」 「あ、あぁ つかなんでここにいるんだよ?」 少し強めに言うと やっぱりニコッと笑って 「この桜が咲くのが見たいんだ、だからね…」 「あ…あぁ」 「その続きは秘密ー」 桜はまたニコッと笑ってそう言った 「なんでたよ」 「さぁね?今は言わない」 「ならいいや」 (どうせどうでもいい出会いだ…この能力があるせいで出会いなんて、つまらないもんになる どうせ出会っても別れるだけだ なら出会いをなくせばいい それに超能力は人を不幸にする…) 「ねぅ春人、今、どうでもいいとか思ったでしょ?」 「な…なにが?」 「そう顔に出てたよ、私、顔を読むの得意なんだ」 春人は無言になった 「ねぇ私たちが出会えたのは小さな奇跡なんだよ? 私はそう思うんだ」 「小さな奇跡か…所詮小さな奇跡だよ…大きいのには適わない…」
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