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二人の喧嘩が始まる。
教団では当たり前の光景だ。
知~らない。と、ラビは座って朝食を食べ始めた。黒鋼もファイも止めても無駄だと感じたのか、ラビの隣に座って食べ始める。
「パッツン!」
「腹黒!」
キィン!ドカン!ヒュッ!
武器同士がぶつかり合う音がする。もはや喧嘩レベルではなく、それ以上だ。
「あの~‥‥良いんですか?あのままで‥」
「あーいいんさ。いつもの事だし。」
サンドウィッチを一口くわえる。
「それにちゃんと止めてくれる人もいるさ」
「えっ?それってどういう意味(ドゴォ!)で……す…か?」
凄まじい音がしたほうを見ればさっきまで喧嘩していた二人がいなくて、代わりにイノセンスを発動したリナリーが。
そして、入り口に近いところの壁を見れば人の形をした窪みが二つ。明らかに今出来たものだ。
「あら。皆早いのね。」
ニッコリと悪のない笑顔を見せるリナリー。
「おはようございますリナリーさん」
「おはようサクラちゃん。私のことは『リナリー』だけでいいわよ。」
「えっ?」
「私たち、もう友達でしょ?」
「‥‥‥うん!じゃあリ、リナリーも私のこともサクラって呼んで下さい。」
「分かったわ。サクラ。」
二人の笑顔を見れば和むのだが、先ほどまで喧嘩していたあの少年達を忘れてはいけない。
「ところで、リナリー。どうしてここに?任務さ?」
「ええ。皆来てって」
「別々の任務さ?」
「んー私も呼んできてって言われたから詳しいことは分からないわ。」
「そっか。」
「じゃあ伝えたわよ。食べ終わったら室長室に来てね」
「了解」
「酷い目に遭った‥‥」
「自業自得さぁ」
長い廊下を突き進むアレン達。
「にしても、ここに来て早速任務なんて‥‥‥長官は何を考えているのでしょう。」
アレンが真剣な顔をする。
「えっ?任務を言い渡したのはコムイさんじゃないんですか?」
小狼がアレンの言葉に驚いて、思わず声を張り上げる。
「コムイさんならリナリーにちゃんと、どんな任務か教えてくれます。 でもリナリーには僕たちだけ呼ぶように言ったんです。こんな人を試すようなことをするのは、長官だけですよ」
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