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どうでもいいこの世界。
どう足掻いたって決して平和にはなれないこの世界。
平和になれないのには理由がある。
一つは人間は感情があるから。
二つ目は人間は数が多いから。
三つ目は人間は生きてるから。
感情があるから疑心を、憎悪を抱き、個々が無数に存在するためそれは生まれ、生きる本能でそれは芽生える。
人間は醜い。
他のどんな生物より。
俺は……―――――
「…い………おい……おい!!」
「…!!……何だよ五月蝿いな」
意識の外に居た俺は微妙に熱り立った呼び声で現実に呼び戻された。
「何って…お前がボ~っとして呼んでも反応しねぇからだろ!?」
「………考え事してたんだよ」
「………まぁいい。それより今日は…―――」
いつもの風景…
いつもの会話…
いつもの日常…
俺はこんな同じような日々を淡々と過ごしている。
それは幸せな事かもしれない。
だけど俺にとって、そんな幸せはただの苦痛にしか過ぎない。
他人と一味違う環境で育ってきた俺には……いや、他人と違うは訂正しよう。
他人の一生の育ちは千差万別、全て違う。同じ人間なんて居るはずがない。つまり、違った環境で生きているのは皆同じだ。
そう、俺はその中の一つであり、そして―――
スパァン
頭を叩かれた。
「……何すんだよ!!」
「お前…具合悪いのか?さっきからボ~っとして……」
「…いや、大丈夫」
「…………そうかぁ?」
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