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「……もし、もし俺がこの世界から居なくなったとしたら…何か変わるかな?」
「な、何だよ急に……も、もしかしてお前……」
「例えだよ例え」
「…ん~…まぁ、世間的にはどうってことはないわな」
「まぁ………だよな」
そう、別に俺がどんな状況に陥っても、他人は他人。自分自身の状況を明かさない限り、周りは反応すらしない。これは当たり前。
「だけどよ、身内、知人にはそれなりに影響はあるよなぁ」
「まぁ、な」
これが不思議。
人間ってのは深い付き合いがある人間に何かが起こると、それに敏感に反応する。…若しくは失って、初めて感じるもの。その時の損失感、焦燥感は己の精神にダメージを与える。限りなく強いダメージを……。
人間の感情程、不規則で、複雑なものはない。それは一つ間違えれば大きな事に繋がる。代表的なものは戦争だ。武力で傷付け、直接ダメージを与える。それのしあいっこ。まるで餓鬼だ。どっちもどっちなことだ。それは嫌だと反対し続けると、相手側は苛々する。苛々した相手は押し付けるように命令を繰り返す。
現代社会も同じだ。
小規模の戦争と、何等変わりはない。だが…その戦争の荒波に堪え続けていれば、いつかは自分の中にある力を見出だすことが出来る……と俺は思う。見出だせなくとも、荒波に揉まれた経験は、限りなくその人を成長させているだろう。
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