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目を醒ますと、周りには滑り台やジャングルジムなどの遊具が立ち並んでいた。
どうゆうわけか、僕は仰向けで公園のベンチに寝そべり、そのまま眠ってしまったらしい。
太陽が僕の真上にある。
あまりの日差しの強さに耐え兼ね、おもむろに手で遮った。
しかし、こんないい天気の日だというのに、辺りには子供の笑い声はおろか、人の気配すら無い。
――おかしいな。
公園の真ん中には細長い鉄柱があり、上部にスピーカーが3台取り付けられている。
ほどなくしてそこからサイレンのような…いやこれは正午を知らせる時報の音だ。
その音が町全体に響き渡る。
なおさら不可解だ。
こんな真っ昼間なのに、車が走る音すら聞こえてこない。
気配も町の喧騒も虫一匹の鳴き声も何も無い。
聞こえるのは時報の音だけ。
やがてそれも止み、町は再び静寂に包まれる。
まるで死んだように静かだ。
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