線香花火が消えるとき・・・

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私が積み上げた心の壁・・・ 私は誰もこの壁の中に入れるつもりはなかった 例え家族でさえも、この壁の内側には入れるつもりはなかった ふと気がつくと私が積み上げた心の中に、あなたは入り込んでいた 誰も入れるつもりはなかったのに・・・ あなたは、いつから、どこから入り込んだのだろう? 考えてもわからない・・・ そして、あなたはいつの間にか私の隣に居た まるでそれが当然で、ずっと昔からそこに居たかのように 気がつけば、あなたは私の支えになっていた・・・ でも私は気がつかなかった、その事に・・・ 「線香花火って、なんでこう・・・最後まで頑張るのかな?」 と私は呟く 「きっと・・・誰かに見てもらいたいからだろ?」 とあなたは呟いた 私はあなたの横顔を見ながら問いかける 「じゃあ何で最後まで燃え尽きる前に、落ちて消えてしまうのもあるの?」 あなたは燃えている線香花火を見ながらこう答えた。 「それは、きっと自分を見てくれる人に弱っていく姿をみせたくないのでは?」 「そうかもね・・・」 私にはそう答えることしかできなかった あなたの肩に頭を乗せた・・・ なぜだろう? 私はそうしたかった・・・ あなたの温もりを少しでも近くで感じたかったのかもしれない・・・
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