第弐章~舞い降りる青~

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そのころ少女は苦戦をしいられていた。 『ち!なんだこいつらは!今までの鬼共とは別格ではないか!! しかもさっきのマナといい、どうなっている!?』 金髪の少女は困惑する。 今までなら、ものの五分とせず戦いは終わっていた。 事実15体の内12体は仕留めたが 残りの3体は今まで進入してきた鬼とは、比べものにならなかった。 「マスター!マナの収縮したところから、何者かが急接近してきます!約300mです!」 「なんだと!?」 少女が一瞬気を取られたところを鬼は見逃さなかった。 「後ろがら空きやで嬢ちゃん」 「マスター!!!」 『くそ!避けられん……ナギ…』 グシャ。生暖かい液体が辺りに飛び散る。 しかしその液体は少女のものではなかった。 「おいおい。よってたかって女攻撃するとはいい趣味とは言えねえな」 少女は声のする方へ目を開ける。 そこには2mはありそうな朱色の槍を持つ男がいた。 その槍の先には、自身を殺そうときた鬼が刺さっている。 男は視線に気づいたのか、顔を此方に向けてきた。 「よお。大丈夫か?」 まるで男は十年来の友人のように尋ねてきた。 「まずはあいつらを殺してからだな」 そう言うと男はあっというまに、もう1体の鬼の間合いに入り槍を横一線に叩きつける。 鬼はからくも、それを防ぐが二撃目の攻撃により地に伏した。 「やるな兄さん。あの二人がああも簡単にやられてまうとわ。しかも【還らへん】ときたもんや。 その槍なんや?それとも兄さんのスキルか?」 「さあな。んなこと知るかよ。―――さて、手前で最後だ。死力を尽くした戦いをしようぜ!」 「そりゃええな!!こりゃ、愉しめそうや!」 言い終わると同時に両者は激突する。 鬼の棍棒とランサーの槍とが火花を散らす。
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