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そのころ少女は苦戦をしいられていた。
『ち!なんだこいつらは!今までの鬼共とは別格ではないか!!
しかもさっきのマナといい、どうなっている!?』
金髪の少女は困惑する。
今までなら、ものの五分とせず戦いは終わっていた。
事実15体の内12体は仕留めたが
残りの3体は今まで進入してきた鬼とは、比べものにならなかった。
「マスター!マナの収縮したところから、何者かが急接近してきます!約300mです!」
「なんだと!?」
少女が一瞬気を取られたところを鬼は見逃さなかった。
「後ろがら空きやで嬢ちゃん」
「マスター!!!」
『くそ!避けられん……ナギ…』
グシャ。生暖かい液体が辺りに飛び散る。
しかしその液体は少女のものではなかった。
「おいおい。よってたかって女攻撃するとはいい趣味とは言えねえな」
少女は声のする方へ目を開ける。
そこには2mはありそうな朱色の槍を持つ男がいた。
その槍の先には、自身を殺そうときた鬼が刺さっている。
男は視線に気づいたのか、顔を此方に向けてきた。
「よお。大丈夫か?」
まるで男は十年来の友人のように尋ねてきた。
「まずはあいつらを殺してからだな」
そう言うと男はあっというまに、もう1体の鬼の間合いに入り槍を横一線に叩きつける。
鬼はからくも、それを防ぐが二撃目の攻撃により地に伏した。
「やるな兄さん。あの二人がああも簡単にやられてまうとわ。しかも【還らへん】ときたもんや。
その槍なんや?それとも兄さんのスキルか?」
「さあな。んなこと知るかよ。―――さて、手前で最後だ。死力を尽くした戦いをしようぜ!」
「そりゃええな!!こりゃ、愉しめそうや!」
言い終わると同時に両者は激突する。
鬼の棍棒とランサーの槍とが火花を散らす。
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