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蒼水国(そうすいこく)の国都・水蓮。王宮内の広い廊下に一人で歩く男。
紺碧の廊下は、大の男が5人、横に並び歩いてもまだ広く、足音が微かに響くのは石で出来ているからだろうか。
歩いている男は、まだ年若く少年といえるだろう。
「翔。」
呼ばれて振り返る少年。鮮やかな黄色に近い黄緑の髪は、柔らかな新芽のようだ。
平均的な体格をしていて、短めな髪の色以外は目を引くようなところがない。
「なんだ。暁か。どうした?俺に用事か?」
翔と呼ばれた少年が振り返ると、そこには翔と同い年くらいの少年が、人を見下すような眼差しで、立っていた。
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