第二十五章~囚われの翔と一族の悲願~

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 「それにしても、翔もいい友人達を持った者だ。」  湍水が嬉しそうに言う。それを聞いた朝陽も同調した。  「貴和殿のような心優しい女性まで味方につけたし。貴和殿も、友のために淡雪山脈を登るとは素晴らしい人だ。」  「朝陽……。どこまで、馬鹿なんですか。というか、表面通りしか受け取らない、馬鹿な素直さですかね。貴和殿は、翔に恋しているんですよ。女性の心理が分からないと、嫌われますよ。」  暁の小馬鹿にしたような言い方に、「えええ!?」と驚いたのは、朝陽だけではなく、湍水も、だった。  「あの娘が?うちの馬鹿な甥っ子を?」  信じられない!と顔全体で表している湍水に、暁は特大のため息をついた。
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