101人が本棚に入れています
本棚に追加
千早の家に着き、千里の案内を乞うて、恵風を訪ねる。翔を奪われた衝撃が続いていたものの、湍水の顔を見て落ち着きを取り戻した。
「すみません。翔を……。」
湍水は、何も言わなかった。恵風がどれだけ苦しんでいたのか、見れば解った。
「貴方も、翔の身内なのに……。」
衝撃は同じはずだ、と恵風は更に申し訳ない気持ちになった。
「確かに衝撃的です。でもそんなに悔やまないで下さい。いえ、悔やんでいる時間が勿体無い。翔を……取り戻しましょう。」
湍水の静かな声に恵風もハッとした。そして、強く頷く。
「解りました。」
最初のコメントを投稿しよう!