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街を外れた森の中で彼女の遺体が見つかった
首には縄で絞められたような痕があった
服は無残にも破り捨てられ、体中に多数の痣があった
俺はわかってしまった
彼女は陵辱された
そして殺されたのだ
彼女を抱きしめる
俺の事を抱きしめてくれた温もりはない
彼女の顔を見る
どんな時も俺の事を温かくしてくれた笑顔はない
そこにあるのは
まるで人形のように冷たくなってしまった抜け殻と
全てに絶望してしまった魂のない彼女の顔をした只のものだった
響く叫び声と泣き声
聞いてくれるのは森の木々だけ
何度も彼女の名前を呼ぶ
答えてくれない
体を揺する
答えてくれない
この世界は無常
それは覆す事の出来ない理
けど、けど!!
俺の中の何かが
彼女と言う糸で繋がれていた何かが大きな音をたてて切れた
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