―序章―

3/6
前へ
/165ページ
次へ
また、終わった― 人生とは 毎回あっけなく終わってしまうものだ。 これで何回目かもわからない。 初めての時は信じきれずにいた。 しかし、人の始まりは覚えることがたくさんあるため、 次第に忘れてゆく。 それを思い出すのはだいたい思春期。 恋心が芽生え始めるとどうしても懐かしくなり、 前の恋がぶり返す。 最初は慣れず、悩み続けた。 それは今も変わらない。 そうする内に歳をとって、 また死ぬ。 生きては 死んで 生きては 死んで 生きては 死んで 生きては 死んで 生きては 死んで 生きては 死んで 生きては 死んで そうしている内に奴と出会った。 そいつは今まで会った中では変わっていて、 「初めて」をたくさん俺にくれる― 面白い奴だ…
/165ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加