死滅した世界の真ん中で

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ＨＡＨＡＨＡＨＡＨＡＨＡ！！やぁみんな、元気かな？

僕は東名、フリーのカメラマンさ！！

いやもちろん嘘です。でもこのテンションの高さは勘弁してほしい。なんたって僕の人生が終わるかどうかの瀬戸際なのだ。

え？足捕まれたくらいでそんな大袈裟なって？うん、確かにそれまでの平和な世界なら勿論そうだ。むしろその掴んできた手をその場でとり、抱き起こして救急車を呼ばなければ即座に人でなしとして社会的にサヨウナラになるだろう。

しかしながら、その論理は「今」の世界では通用しない。

ましてや、ご丁寧に右足を掴む手の甲に紫色の痣など見つけてしまっては。

（さて・・・）

僕は瞬時に思考を巡らす。

（銃の安全装置はかけてしまった。背中にあるから前に回して引き金を引くまでに数秒、幸い敵はうつ伏せ。ゾンビは動きは緩慢だから十分かまれる前の射撃は可能。しかもうつ伏せなのもタイムラグにつながるので良好。体格的には１３～１４程度、髪の長さから元少女、すなわち力は弱い・・・つまり、負ける確率は低い）

文字にすると長いけど、この間の僕の思考時間は０.４秒。

平和な頃からこれくらいの速度で頭が回転すればテストの点もよかったのにというのは内緒の話だ。