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150メートルばかりの距離を突っ走り、入り口に着くやいなや柱にぴたりと身を寄せて中を覗く。 ・・・隅までの確認は暗くて難しいが、見える範囲では少なくとも動く影は見あたらない。 ただ、入り口のガラスの内側に血糊がついているのを見つけた。 (・・・居るね、これは) 小さくため息をつく。 ドアガラスには鍵がかかっていたので銃の台尻で強行突破。その際駐車場の三体がこちらに気づいたので、狙撃で片づける。 ガラスを踏み割って店内に入ると・・・案の定、レジの後ろで立ち上がる影があった。 元はこの店の店員だったのだろう。青いエプロンには元大手チェーン店の名前が刺繍されている。 しかし、客(入り方はアレだけど)である僕に対して彼は営業スマイルなど向けはしない。 代わりに向けられたのは、生気を失った眼と、ダラリとのばされた腐りかけの手。甲には感染者を表す十字型の青あざがついている。     ボ ク そして、獲物を噛みたいというあからさまな食欲だった。 (忌々しいね) こみ上げてくる吐き気を我慢して、眉間に一発たたき込む。 無礼な店員はもんどりうって倒れ、動かなくなった。
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