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暗がりにうごめく影が無いかどうかをいちいち確認しながら、いつもは真っ先に飛びつく缶詰の棚を無視して慎重に奥へ奥へと進んでいく。 気分としては隠れん坊の鬼。もっとも命がかかった隠れん坊なんか一生したくはなかったけれど。 途中ペットフードがおいてある棚からゾンビが飛びかかってきたが、頭蓋に一撃たたき込んで黙らせる。 スーパーの最深部の扉に手をかけ、ゆっくりと開く。 同時に頬をなでるひんやりとした風。 部屋の中には、冷凍された野菜やら肉やらがゴロゴロ。 「ビンゴ!!」 思わず小さく叫んでガッツポーズだ。 店に入ったときに換気扇の音が聞こえたから「もしや」と思ったがドンぴしゃだ。全く、野菜はこの世界では貴重品なだけにこの出会いは僕にとってどれだけ感謝してもしきれない。 「主よ、感謝します・・・なんてね」 キリスト教徒でもないのにおどけた仕草で十字を切ってみたりしながら、ディパックを肩からおろして意気揚々と僕は「お宝」を詰め込んでいく。
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