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「……なんだ、思いつかないのか?」
何もない理由で俺はハルヒの私利私欲のために動きたくないからな。
たまの休み時間、教室でゆっくりと昼寝でもしたい今日この頃である。
「別に俺は長門が普段の無表情でも十分だと思ってる。あの女にうるさい谷口が、長門のことをAマイナーという評価をしているんだ。」
「……」
「まあ、アホの谷口に持ちかければいいんじゃないのか。あいつだったら、女の笑顔を見たい気持ちは表に出てる。」
「まったく、キョンは分かってない。」
普段通り、自分の考えに少し何かの意見をされるとこのように言う場合が多い。
まあ、俺は慣れているからいいのだが。
「何が分かっていないんだ?」
「あんな一男子生徒、有希には使えないヤツよ。」
「言っておくが、俺だって一男子生徒だぜ。宇宙人でも未来人でも超能力者でもない、れっきとした普通の男子高校生だ。性格が谷口よりも卑猥ではないということだけだ。」
「……あんたは分かってないっ!!」
おいおい、今は昼休みだぞ。生徒があまりいないからってそこまで大きく声を張り上げることはないだろ。
「何が分かっていないんだ?もう一度訊いてみるが。」
「……有希のココロよ。」
笑った。ハルヒから“ココロ”という言葉が出てきたことに。
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