第Ⅱ章

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そんな考えを巡らせていた所、 上から鈴の様な声が降ってきた。 …誰もいないはずなのに…。 …しかも上?なんで? 違和感を覚えたぐっちょんは顔を上げると 綺麗な金色の目と衝突した。 思わず見とれてしまうほどの美しさが その目にはあった。 その目の持ち主はというと 小柄な少年で 銀色のメッシュが入った やたら綺麗な薄緑の髪が印象的だった。 可愛いというより綺麗と言うほうが 彼にはあっている …気がした。 その少年は 土色のマントに身を包み 近くの木の枝に座っている。 …外国の人だろうか。 「そうとも言えるし、違うとも言える」 今…読まれた!? 「心を読んだ!とか 思わないでよねー。 ボクだって出来ることと 出来ないことがあるよ」 そう言って少年は 頬を膨らませた。 …可愛い。 「顔に書いてあるの、自覚してる?」 「いや、顔に文字は書けないでしょ」 反論してやった所、 ものすごーく苦虫をかみつぶしたような 神妙な顔をされてしまった。 「おねえさんってさあ… 馬鹿って言われない?? いや、絶対言われてるよねうん」 失礼な!!と言ってやりたかったが 昔散々言われた記憶があるので 言い返すにも言い返せなかった。 子供にここまで 言われるなんて…
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