第Ⅱ章

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「―――――はい?」 「だーぁかーぁらーぁ!!何回目だよ!!」 ハテナマーク全開のぐっちょんに 憤慨する男の子。 でも意味が分からないのだ。 私がー… 「世界を救うの!!」 男の子がこれでもか!! というようにでも言い切った。 もうこれ以上何も言わせない。 と無言の圧力も込めて、ぐっちょんを見つめた。 「いや、でも…でも!!なんっで私が?!」 こちらも負けじと男の子を見つける。 しばらくお互い見つめ合ったままだったが、 やがて男の子の方が疲れたように息を吐いた。 「…まあ、いいよ。今は。 とりあえず、自己紹介がまだだったよね? ボクの名前は、 コルウェリース・イシューナ・サヴァン …長いからコインでいいよ。 こう見えても、立派な賢者なんだよ?」 そういってふふん、と鼻高々に胸をはった。 この子が…賢者? 一体…?? なんか自分はとんでもない人物と 出会ってしまったようだ。 「…てか今って!いや無理だからね!!」 そういってぐっちょんは ぶんぶんと両手を振った。 「ボクが認めたんだ。きっと君ならやれる。 というか、君は自分の素質に気付いてない。 どれくらい君が凄いかってね?」 そういって男の子…コインぐっちょんの右手に触れた。 すぅ、と息をすって、 コインは真剣な表情になった。 「…正直に言おう。 ハッキリ言って、このままでは世界は…消滅する。 今でも危険な状態なんだ。 今、世界の均衡が乱れはじめている。 時間と空間の歪みが何らかの原因で起こり、 そのことによって 世界のあちこちに亀裂…裂け目が出来はじめた。 これが拡がり、増加していけば… やがてその裂け目がパックリ開いて世界を飲み込む。 そう、跡形もなく。 所謂ブラックホールみたいな感じかな」 一通り説明した後 コインは地面に木の枝を使って何か描きはじめた。 …世界地図?
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