第一章

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男の自身が連に当たる。 「やだよぉ…。」 連は泣きながら、 必死に抵抗した。 ドスッバキッ その時、聞こえた音と共に 男が連の横に倒れた。 「……え?」 (何が…起きたの?) さっきまで連を囲んでいた男達は 何故か皆倒れていた。 そして連の前に立つ 長身でとても整った顔の男。 その男は連の前まで来て 手を伸ばしてきた。 ビクッ 連は反射的に体を退いてしまった。 さっきの光景が頭を過ぎる。 「あ…、や…だ、やだよぉぉ…。」 そしてまた震え出す体と 流れる涙。 速くここから逃げたくても 動かない足。 目の前に立つ男は体を退いた連を見、 一度は手を引いたがまた伸ばした。 そして連の頭を撫でる。 「う……、え?」 さっきまでの震えも止まり 今度は男の手に顔を擦り付ける。 (なんだろう?  すごく安心する…。) _
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