第一章

4/17

51人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
男の自身が連に当たる。 「やだよぉ…。」 連は泣きながら、 必死に抵抗した。 ドスッバキッ その時、聞こえた音と共に 男が連の横に倒れた。 「……え?」 (何が…起きたの?) さっきまで連を囲んでいた男達は 何故か皆倒れていた。 そして連の前に立つ 長身でとても整った顔の男。 その男は連の前まで来て 手を伸ばしてきた。 ビクッ 連は反射的に体を退いてしまった。 さっきの光景が頭を過ぎる。 「あ…、や…だ、やだよぉぉ…。」 そしてまた震え出す体と 流れる涙。 速くここから逃げたくても 動かない足。 目の前に立つ男は体を退いた連を見、 一度は手を引いたがまた伸ばした。 そして連の頭を撫でる。 「う……、え?」 さっきまでの震えも止まり 今度は男の手に顔を擦り付ける。 (なんだろう?  すごく安心する…。) _
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

51人が本棚に入れています
本棚に追加