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耳を澄ましてみると。
風呂掃除を終えたアンタは、寝室で過ごしているようだ。
ちょっと可哀想だけど。
仕事が終わったら、すぐに声をかけるから…な?
俺は、心の中でアンタに言って。再び台本に視線を落とす。
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「おーい。ご飯にしよーぜ?」
俺が仕事を終えて寝室の方に向かって声をかけると。待ってましたと言わんばかりに飛び出してくるアンタ。
「ねぇ、ねぇ。Jくん!」
まるで、風呂の詮を抜いたみたいにアンタの口からは言葉が漏れる。
「あのね、お花屋さんの前で、空飛ぶダンボがね?」
顔をキラキラさせて話すアンタ。そりゃあ、ダンボは空を飛ぶだろうけど。それは夢なのか、テレビか漫画の話なのかさっぱりわかんねー。
それでも。
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