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俺は永遠と一緒に家をでた。
母さんが聖奈の話しをしたから、出てくる言葉が無い。
聖『いつまでも、しおれてられないな!』
永遠『……え?』
聖『シャキッとしろっ!!』
と、俺は永遠の背中を叩いた。
永遠『…うん…』
そして、小さく囁いた。
聖『頑張ろうぜ』
永遠はこれとないほどに、笑った。
俺にはそれが一番だった。
永遠『…うれしい…』
聖『えっ、何て?』
永遠『ううん、何もないよ☆』
そして、学校の屋上へ。
しかし、いざとなると足が進まない。
聖『永遠、大丈夫か?』
永遠『聖がいるから平気だよ』
聖『そうか…。ここから先、何があるかわかんねぇから、覚悟しろよ!』
永遠『うんッ!』
俺は懐中電灯を片手に、入口をくぐった。
いきなり、左腕に痛みがする。
聖『永遠、怖いのか?』
俺はいつもの調子が出なかった。
永遠『腕掴んでたら、大丈夫…』
俺はそっと永遠を自分に寄せた。
入口から下に向かう階段がある。
聖『無駄なスペースの正体はこれか』
永遠『知ってたの!?』
聖『いや、けど、学校を外から見た大きさと、中で見た大きさが微妙に違ったから不思議におもったんだ』
永遠『そうなんだ。聖は変なとこ、頭いいよね』
聖『一言余計だ!』
…階段を降りきる。
懐中電灯で照らすと、二手に道が分かれている。
永遠『どうするの?二手に別れるの?』
と永遠が心配そうに、俺に問う。
聖『いや、そんな事しねぇ』
おれは、カバンの中からビー玉を取り出した。
永遠『なにすんの?』
聖『まぁ見てろ!』
聖『おらっ!』
と、ビー玉を片方の道に投げた。
次にもう一方の道にビー玉を投げた。
聖『どっちがビー玉の音長かった?』
永遠『えっ!た、多分左……』
聖『正解!』
そして、左の道に曲がった。
永遠『そんなので分かるの?』
聖『ん、テキトー』
永遠『て、テキトー!?!?』
聖『気にすんな。前にテレビでやってた。けど、ほとんど忘れちまった』
永遠『頼りになんないんだから~』
終わりの見えない道を進む。
しかし、終わりは思ったより早くきた。
永遠『い、行き止まり…。引き返す?』
聖『いや、当たりだ。』
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