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聖(しょう)『ん……むにゃ…』
俺の名前は、『夜空 聖(よぞら しょう)』。
その名の通り、深い深い夢の闇の中にいた。
俺はその中で1人突っ立っていた。
段々目が慣れて辺りを見まわしていると、どこかからか声が聞こえた。
??『あなたは選ばれた人のようですね』
聖『はい!?』
??『あなたは光が見えますか?闇との区別がつけられますか?』
聖『えっ?』
??『あなたの目の前にある物はなんですか?』
聖『…紙…?』
??『えぇ、そうです……。それは、あなたがお探しになっている「聖奈(せいな)」という女性から受け取ってきた物です』
聖『えっ!?あ、あなたは聖奈の事を……』
??『えぇ。何より、彼女は私が神隠しに選んだ女性です』
聖『はぁっ!?ちょっと待てっ!聖奈を何処へやったんだっ?どうするつもりだっ?』
??『彼女に危害は加えません。あなたが自分の力で道を開けば、彼女に会う事が出来ます……』
そして、謎の男性は闇に消えた……。
聖『待てっっ!!』
……………。
チュンチュン…。
聖『鳥の声?』
カタカタ…。
聖『風が…窓をたたいてる…』
俺はまたもや辺りを見まわした。
声が聞こえるんじゃないかと思い、少し身構えた。
もちろん聞こえるはずがない。俺は一人苦笑しながら布団から身を離した。……クシャ……。
聖『クシャ?』
と下を見る。
それを見た瞬間、体全体に鳥肌がたった。
聖『…か、か、かみ、かかみ、かみみ、紙だぁ~!?』
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