判決

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裁判長役の男はせき払いをひとつして、ゆっくりと始めた。 「まずは簡単なところからまいりましょうか。」 「アイドルの北条ゆかこと木下ゆかりは被告人藤崎賢二の彼女で間違いありませんか?」 いったい何が聞きたいって言うんだ? この裁判の目的をまだ理解していなかった俺は答えることができなかった。 しかもゆかりの、つまり北条ゆかのファンに知れてはゆかりに悪いと感じたのだ。
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