第一章 シンシア

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「おばあちゃん!今日は何のお話をしてくれるの?」  樹々が作った小径を一人の少女が行く。  瑠璃の瞳にブロンドのウェーブのかかった髪。白いレースの付いたスカート、胸には黒いリボン。  その顔つきはまだあどけなさを残している十三、四になろうかという風貌である。  土埃をあげ、老女へ駈けて来るその瞳は爛々と希望に満ち溢れていた。 「そうだねぇ……月と太陽のお話をしようかねぇ」  そして老女は語り出す。小さな小さな星屑の物語を……。
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