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いつから使えたのかは本人もわからず物心ついた時には他人とは違った力が宿っていた。 イチナは授業には出ずに学校を出た。昼過ぎの街は少しの賑わいを保ち時間が過ぎていった。家へ着いたイチナはリビングでテレビを見ながら昼食を摂っていた。 ――臨時のニュースです。都内某所で学生ばかりを狙った殺人事件が多発しています。犯人の目撃情報は無く警察は厳戒態勢を発令しています。 「最近こんなんばっかりだな」 耳を塞ぎたくなるような現状にうんざりしていた。イチナが通っている高校も有難いことに都内だった。 「俺も気をつけないとな」 独り言を吐き自室に戻りベットに飛び込んだ。 気がつくと辺りが朱色に染まりかけていた。晩御飯の買い物に行かなければと思いながらも体が言うことを利かずにダラダラとしていた。 「…いいか。どうせ一人分だし後でコンビニでも行こう」 父親の姿をかれこれ3ヶ月以上見ていない。彼にとって親という生き物に関心はなくなっていた。 そのままダラダラと過ごし気付いた頃には辺りは真っ暗になっており腹の虫が騒ぎ出していた。
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