-未来への頁-

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リブラとルナが食事をとると、ある席からイーレが嬉しそうにぶんぶんと手を振っていた。イーレの向かいには見知った顔が座っていた。 「あ、シアさん!おはようございます!」 「おはようございます、シアさん」 「おはよう、ルナちゃん、リブラちゃん」 座っていたのはシアだ。 王になったソルの聖界軍総指揮官引退後に総指揮官に就任した。 当時より少し背も伸び、貫禄が出てきている。 「リブラちゃん、ベルさんのことありがとうございました」 「いえいえ、朝の弱いお母さんを起こしただけですから」 「ミラさんがあっち行ってるから頼める人がいなくて・・・本当だったらルオタニアにもソルさんが行くべきなのかもしれないんですが、どうしてもタイミングが合わなかったので助かりました」 シアの話を聞きながらルナはイーレの隣に、リブラはシアの隣に座る。 「はい、イーレ。おうどん」 「ありがとう!いただきます!」 イーレは手を合わせるとルナに持ってきてもらったうどんをすすり始める。 向かいでフォークを使ってうどんを食べるイーレを見てシアは微笑んだ。 「おうどんが好きなのはお父さん譲りですね」 「ルオタニアか・・・懐かしいなあ・・・」 サラダを食べながらルナは思い出す。 そう、ルナが聖界軍の迎えがくるまで立ち往生していた町だ。 「ルナちゃんはそこで金欠になっちゃったんだっけ?」 「はい、だから迎えにきてもらったユカさんに宿代を払ってもらっちゃって・・・あの時は悪いことしちゃいました」 「大丈夫だよ、あれ確か経費で落ちてたから」 シア以外の三人は朝ごはんを食べているが、シアの前には何も無く、取りに行く様子もない。そんなシアを見てリブラは聞いた。 「そういえば、シアさんはどうしてここに?食事をとっているわけじゃないし・・・」 「イーレが食べ終わるのを待ってるんです、お迎えの用意がありますから」 「お迎え?」 「うん!今日は『レテ』くんがくるの!」 イーレは嬉しそうにそう言った。 リブラはそれを聞いて今日が何の日かを思い出した。 「あ、そうか・・・」 「ええ、ソルさんとアンナさんが帰ってくるのと同時に冥界王家がこちらに来られる日ですから・・・終わったら用意しましょうね、イーレ様」 「はい!シア聖王!」 口元に少しうどんの汁を付けながらイーレは元気よく返事した。
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