2人が本棚に入れています
本棚に追加
そして、出て来た時に聞いた声が聞こえてきた。
とっても、寂しそうな声…
お部屋から出た私を優しく包み込んでくれた。
温かいぬくもり。
でも、そのぬくもりはすぐなくなり、またお部屋へ返されてしまった。
次は車に乗ってもっと大きな病院に行くんだって。
車に揺られて病院に着いたら、沢山の人がいる所へ連れて行かれたんだ。
目を開けなくても色々な音は聞こえてくる。
泣く声や、お話しする声、ピッピッピ…って初めて聞く音。
そんな中いると
「弥生愛…」
そう呟く声が聞こえてきた。
「弥生愛。お母さんだよ。ゴメンね。かしこかったね…」
その声は震えていた。
泣いてるの?
おかあさん…?
私をうんでくれた人?
おかあさん!!
「弥生愛。沢山の人の愛をもらいながら生きていこうね」
そう言うと私のほっぺたに冷たい涙がこぼれ落ちてきたんだ。
最初のコメントを投稿しよう!