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そして、出て来た時に聞いた声が聞こえてきた。 とっても、寂しそうな声… お部屋から出た私を優しく包み込んでくれた。 温かいぬくもり。 でも、そのぬくもりはすぐなくなり、またお部屋へ返されてしまった。 次は車に乗ってもっと大きな病院に行くんだって。 車に揺られて病院に着いたら、沢山の人がいる所へ連れて行かれたんだ。 目を開けなくても色々な音は聞こえてくる。 泣く声や、お話しする声、ピッピッピ…って初めて聞く音。 そんな中いると 「弥生愛…」 そう呟く声が聞こえてきた。 「弥生愛。お母さんだよ。ゴメンね。かしこかったね…」 その声は震えていた。 泣いてるの? おかあさん…? 私をうんでくれた人? おかあさん!! 「弥生愛。沢山の人の愛をもらいながら生きていこうね」 そう言うと私のほっぺたに冷たい涙がこぼれ落ちてきたんだ。
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