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「……分かりません」
目を閉じて考え込んでいた男だったが、よい考えが浮かばなかったのだろう。少年とは目を合わせずに静かに答える。
「レガミィ君、謎は解くから楽しいんだよ?」
答えを出せず申し訳なさそうな表情をする男だったが、少年は一切怒った様子も見せずに微笑みつづけるだけだった。
「……圧倒的な自信を見せるためでしょうか?」
「なるほどね~。ちょっと違うかな。手紙に書いた通り仲良くなるためさ。彼の力には素晴らしいものがあるからね!」
再び考え直すと、顔色を伺うように答えを出す男。
そんな男の答えに、少年はわざとらしい表情を見せながら、両手を叩いていた。
「同志に引き込もうとお考えですか?」
「そうなってくれると面白いんだけどね。どっちでも同じさ。……僕は世界を作り直し神となる!これからもよろしくね、レガミィ君」
「はい。どこまでも」
ずっと微笑みつづけけていた少年の表情から、初めて優しさが失われた瞬間だった。
真紅に染まる瞳を持つレガミィと呼ばれた男も、その雰囲気を合図と受け取ったのか、自ら跪ずき部屋全体に響き渡る返事を返していた。
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