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魔族。
それは一体が二つの名を持つ者と同程度の力を持っており、その圧倒的力で魔物達をまとめあげた。
沢山出てしまった死傷者も魔物にやられた者よりも、大半はこの魔族にやられてしまった数の方が多い。
当然そのような者達を野放しにするわけにもいかず、全ての者が力を合わせて合計十数体の魔族を全て倒しきり、人間の勝利として幕を閉じたのである。
いや、閉じたはずだった。
しかしカイルの言うことが本当だとすればまた戦争が起きてしまう可能性は大いにある。
「学園長も何か言ってください!! あの戦争に参加されていたんですよね?」
「魔族は全て倒しきりました。それは間違いありません」
説明してくれと言わんばかりの顔を向けるロールに代わりマリアは自分が見た事実を正直に話す。
しかしそれを聞いた後もカイルは自分の考えを否定しようとはしなかった。
「人間で魔物を支配下に置こうと思ったら物凄い力が必要です。それ自体はありえない話ではありませんが……」
そこまで言った後カイルは目を閉じ、何かを思い出すように考え込む。そのあとの話はロールには勿論だが、マリアを驚かすにも十分過ぎるものだった。
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