模擬戦

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「僕は一度、その魔族に会っているかもしれません……それに魔族の親玉のような存在がいない事も完全に否定出来るわけでもありません」 「そんな!! それでは無限の可能性が出てくるんですか!?」 「可能性の話ですが……」 カイルの魔族と会ったという話、可能性が無限に出てくるという現実を話を聞かされ、ロールは思考が進まず聞き返す事しか出来ない。 マリアも無言のままカイルの話を聞き、目を閉じ腕を組んで考え込む。 「そうなると、『ギルドの任務』という形の実戦経験をさせる方がいいですね。戦力は一人でも多い方がいいですから」 マリアは目を開くと近い将来向かえるであろう戦いに目を向けているのだろう、その表情は学園長としての優しいだけのものではなく、厳しいものであった。 「明日から始めましょう。それではカイ……いえ、雷帝さんよろしくお願いします」 マリアの話に頷き話を終わらせるとカイルは真っ直ぐに寮へと戻る。 マリアが先生達に連絡を取り、授業よりもギルドでの任務を優先させることが出来たのだろう、カイルも後から聞いたイル達に誘われ一緒に任務に行くことになった。
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