憎しみの雷

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「お前は……殺す!!」 「くっ……」 カイルは話すと同時に指輪を外し、殺気をレガミィへと向ける。 あまりの殺気の強さに一歩下がるレガミィだったが、その顔から笑みは消えてはいない。 「……駄目元で聞いてみますが、こちら側につく気はありませんか?」 「ふざけるな屑が!! お前は本気で殺すって言ってるだろうが!!¨オーディン¨」 レガミィの発言はカイルの気を逆なでるだけのようで、段々と口調が粗くなっていく。 もはやそこにイル達の知っているカイル・アストールという人物はいなかった。 カイルの周りが巨大な光で包まれたと思ったその瞬間背が高く、髪の毛の色から、身につけている服の色まで全身が白を基調とした姿の男が現れた。 彼こそが、無を司ると言われている王であり、ルージュの実の父親。 イル達が知っていたように、誰もが一度は名を聞いたことがある使い魔、オーディンだった。
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