憎しみの雷

6/38
23083人が本棚に入れています
本棚に追加
/479ページ
「龍鳳、あいつらを守ってやってくれ」 龍鳳と呼ばれる少年は目つきが悪く、髪はボサボサ、着ている服はボロボロといったみすぼらしい姿をしていた。 出てきた龍鳳にさっそく指示するカイルだったが、龍鳳は無視して勝手に話し始める。 「久しぶりに喚んだと思ったら何様のつもりだ? お前にはイケメンがいるだろうが……ってもういるのかよ。あいつがいるなら、俺はいらねぇだろ。しょうもねぇ事だったらぶっ飛ばすぞ!!」 突然出てきたルージュではない使い魔と、口の悪い子供を目の前にしてイル達は混乱しきっているが、カイルはイル達の方は一切見ずに淡々と話しを続ける。 「俺も本気でやる。刀をくれ」 「本気? そこまでしなきゃいけねぇのかよ¨操り人形の糸(イマジンブレード)¨」 カイルの本気という言葉に反応して龍鳳はレガミィの方を見る。 一瞬の出来事でイル達には全く見えていなかったが、突然レガミィの横にあった木が音を立てて倒れだす。 その光景を見た途端、龍鳳の顔はその目つきの悪さからは想像出来ないぐらい、笑みに満ちていた。
/479ページ

最初のコメントを投稿しよう!