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「お前らと話すのはめんどくせぇ。勝手にしろ」
それだけ言うと、龍鳳は黙ってカイルとレガミィの方へと視線を向けてしまった。
キティも意味が分からないが、龍鳳が黙ってしまったため、口を閉じて勝負の行方を見守る事にする。
キティ達にしてみれば、カイルは強いがまだ自分達と同じ十六歳の少年。
龍鳳にしてみれば、世界最強の《雷帝》。
ただそれだけなのだが、その違いはとてつもなく大きい。
それが分かっていない以上、龍鳳はキティ達と話していても意味がないと判断したのである。
「くっ……」
一方カイルとレガミィの戦いは、少しづつではあるが確実にカイルの攻撃がレガミィを追い詰めているように見えていた。
「なんだ? 息巻いていたくせにこんなもんかよ……じっくりと苦しみを与えながら殺してやる」
地面に膝をつき、息を切らしているレガミィとその姿を見下しているカイル。
やられている側にすれば、屈辱と言っても過言ではないような状況の中で、何を思ったのかレガミィは突然笑い出した。
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