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「どういう事か説明してくれるか?」
イルとキティの二人を龍鳳に任せた後、カイルは学園長室にへと来ていた。
マリアが机の上の書類に次々とペンを走らせる中、正面に座り静かに口を開く。
「……何の事でしょうか?」
手を止めることなく、目を離すことなく質問を返すマリアだったが、カイルの口調も変わることはなかった。
「その場で聞くのが一番だったんだが、最初に違和感を感じたのは模擬戦の時だ。それから何度も一緒に行動していたが、お前が何かをしているとしか思えない」
「…………」
きっぱりと言い切るカイルの言葉に、ぴたりと動きが止まったかと思ったマリアの手だが、目を凝らして見ると微かに震えていた。
その姿を肯定ととったのか、カイルは少し呆れたように話を続ける。
「何の封印かぐらい予想は出来るが、それがメディアを縛ってるんだぞ?」
「あなたとあの娘は違うんです!! もしもの事が起こってからでは遅いんですよ!」
カイルの言葉を聞くと同時に、机を激しく叩いて立ち上がるマリア。
俯いているため表情は分からないが、だからといってカイルの態度が変わることはなかった。
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