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「本当に休まなくて大丈夫なのですか?」
「ずっと迷惑かけたからな……今休んだらあいつに怒鳴られる」
学園――カイルが全てを崩壊させてしまったため、今となっては学園跡地と言うべきかもしれない――の出口へと歩いていくカイルとオーディン。
刀が刺さっていたであろうカイルの体に一切傷はない。
そして、いつもならばカイル達の少し後ろで愚痴を、わざと大きな声で言い続ける相棒も、いない。
「お前こそ、本当に良いんだな?」
「初めてお会いした時に、私は主をお守りすると誓いました。その誓いは決して破られることはありません」
歩きながらだが、常には見せない強い口調でオーディンは言い切る。
その答えに特別言い返すことなく、カイルは歩く。
今やだだっ広い土地となってしまった学園は、その姿になって改めて学園の広さというものをを実感させる。
草木一本生えていない大地の中で、目的の場所への地図を持っているかのように躊躇いなく進んでいくカイル。
無表情ではないが、その表情から何かを読み取ることは出来ない。
「どこに行く気ですか?」
その目の前に立ち塞がるようにカイル達を迎えたのは、他でもないパリス学園の学園長だった。
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