未来へと繋がる約束

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(くそっ……もう、時間が!!) 目だけで男を見送った後、それでもカイルは何とか体を起こそうともがいていた。 その度に開く体中の傷で更に苦しみが増えていくが、気にしている時間もなかった。 「くっ……くっそ……」 それでも歯を食いしばりながら、カイルは血の流れる手で少しずつ地面に円を描いていく。 (みんな……ごめん) 複雑さはほとんどない、円と三角形を組み合わせただけの簡単な魔法陣。 血で描かれたそれは、直径十センチ程と決して大きなものではない。 が、魔法の使えない今のカイルに、その大きさは大した問題ではない。 自分以外の魔力を使う魔術。それは自分の中の魔力を変換しなくて済む分、必要なのは発動させるための鍵なのだ。 流れ込む魔力に反応して魔法陣は強い輝きを放っていく。 部屋中に赤い光りが満ちていく。その中に四つの影が浮かび上がるのを、カイルはうっすらと開けた目に映していた。 ◇ ◇ ◇ 「ふん、これで準備は完了だ。あとは時を待つばかり」 部屋の中には先程のものを遥かに超える大きさと、数の魔法陣が展開されていた。 その中心に立つ男の傷は未だ癒えていない。 だが、その顔の表情は決して悲観的なものではなく、逆に喜びに満ちた歓喜の表情だった。
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