新たなる道

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戦争が終結して約一年の時が経った。 戦争の主犯となる前委員会のリーダー、サイス・タムナスは拘束具で魔法を封じられ、二十四時間体制で監視の行われている地下牢獄へ、他のメンバーでも復興に協力しない者達は同様の措置が取られている。 戦後新たに発足した委員会が尽力しているものの、被害を受けた地域の復興はまだ完全には終わっていない。 中でも一番酷い被害を受けた場所が首都アリグムにあるパリス学園である。 建物が全壊どころか、建物そのものが跡形もなく消えてしまっていた。 何もかもが無くなってしまい、瓦礫の撤去をしなくて済んだ分、比較的早く機能の回復が行えたのは不幸中の幸いといえよう。 ちなみにその間、パリス学園の生徒たちは各地にある他の学校へ一時的に転入となった。 戦争終結での戦果を受け、二週間後に昏睡状態から目覚めた雷帝にも委員会入りの声が上がっていたが、本人が二つ名を返上することを理由に辞退。 彼なしでの活動に問題はなかった。が、『最強』の座を返上する事については、委員会のみならず、ギルド関係者全員にも衝撃を与えた。 そんな混乱も、一年という時間を経た今ではすっかりなくなり、無い物ねだりをする者は最早どこにもいなかった。
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