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「はじめまして、《雷帝》くん」
「!!」
急な出来事に驚き、すぐに振り返ってみるが後ろには誰もいない。
立ち尽くしたまま少し動揺するカイルを見たアルスが近くに駆け寄り声をかけてくる。
「どうかしたのか?」
「い、いや…なんでもない。アルス、ここには学園外からの人も来ているのか?」
「ああ。なんせこれだけの大きさだからな。多い時は動くのもやっとなくらい人が来るよ」
「そうか、ありがとう」
(正体がばれている。俺が狙われているのか? くそっ油断し過ぎた。今は……動けない)
アルスの言葉を聞くと、カイルは前に向き直り再び歩きだす。
自分の失態に少し顔を歪ませるも、周りに気づかれないようにするのが今のカイルに出来る精一杯の抵抗だった。
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