迫りくる闇

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「メディアもちょっと考えたらわかるじゃない。カイルやアルスならともかく、そんな高等技術をバカが出来るわけないでしょ?」 笑ったままのイルに言葉が続かなくなってしまったメディアだったが、溜め息をつきながら呆れた様子で話すキティに視線を移す。 「バカバカ言ってるけどな!! 俺だって……」 「出来るの?」 真っ向から否定すべく大声をあげたイルだったが、キティの一言で勢いを無くしてしまい、再び口を閉じてしまう。 「出来るの?」 「えっと……」 無口になるイルにしつこく追求していくキティ。 イルも必死に言葉を考えていくが、次々に浴びせられる質問のせいか、なかなか決められないでいた。 「出来ないんでしょ?」 「……はい」 「じゃあ黙って運びなさいよ。『働かざるもの食うべからず』って昔から言うじゃない」 「えっと……お料理出来ないんだったら仕方ないかもです」 キティの追求に逃げ切れず、小さな声で肯定してしまうイル。 隣にいたメディアも申し訳なさそうな顔のままキティに近づいていく。 視界の端に映ったアルスに助けを求めようとするが、いつまで経っても視線を合わせようとさえしなかった。
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