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「ルージュも手伝ってくれたからな。紹介するよ。俺の使い魔のルージュだ」
「よろしくお願いします」
皆の言葉に笑顔で返しながら、カイルはルージュの方を見て紹介する。
四人の視線が集まる中で、ルージュはペコリと頭を下げて丁寧に挨拶をする。
「へ~。これがカイルの結……」
ルージュの姿をまじまじと見つめながら一言話そうとしたイルだったが、何かが頬を掠めた事で言葉をきり後ろを振り返る。
「……悪い。手が滑った」
振り返った瞬間後ろからカイルの言葉がかけられるが、その言葉よりも後ろの壁に刺さっているフォークに眼がくぎづけになっていた。
恐る恐る振り向いてみると、怖いぐらいの笑顔を向けているカイルの顔が眼に飛び込んでくる。
「次は気をつけるよ」
(当てるって事ですか!? 当てるって事ですよね?)
「わ、悪い。もう絶対言わない。約束する」
笑顔で話してくるカイルの言葉も、イルには確固たる意志表示にしか聞こえなかったようで、顔を引き攣られながらルージュには聞こえないように謝るしか出来なかった。
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