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「何をって……卒業まで奴隷になるんだぞ? これで騒がずにいられるか!」
必死に自分の状況を説明しようとするイルだが、分かってもらえた気配は一向になかった。
呆れた様子のキティに分かってもらうように説明を続けるが、一つも受け止められていない。
「お前だってこんな状況になれば騒ぎたくもなるだろ?」
「……私は発狂しちゃうかもね」
いくつも説明する中の一つで、ようやくキティの感心を得ることが出来ていた。
顎に手を当てて少しの間自身の姿を想像したのだろう。
再び目を合わせるキティはきっぱりと言い切った。
「だろ? なら…」
「でも、今が最低辺のあんたは大丈夫でしょ?」
不意なキティの発言に固まってしまうイル。
目を閉じて必死に涙を堪えようとしているが、止められなかったようで勢いよく頬を濡らしていた。
へこんでいるのかと思った次の瞬間、一変して目を見開き顔を上げると、勝ち誇ったような笑みを浮かべながら話し出す。
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