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ゴロゴロゴロ
ゴロゴロゴロ
深い深い地の底から、まるで野獣の唸り声のような不気味な音が響き始める。
「怖い・・・」
そう小さくつぶやくと、少女は小さなその手で耳を塞(ふさ)いだ。
しかし、それを無視して、仮面の黒魔術師の呪文の詠唱はなおも続いていく。
そうしていると、そのうち床下から何か得体の知れない黒い霧のようなものがモクモクと立ち昇り始めた。
そして、それは、しだいに、辺りに充満し、その濃度を高めていく。
やがて、その黒い霧はゆっくりと何者かの姿を取り始めた。
酷く、邪悪で、禍々しい、その姿は・・・。
悪魔だった。
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