1章 プロローグ

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「いゃぁ・・・」 酷く、怯(おび)え震えた声で、そう叫ぶや否や、あわてて、立ち上がり、逃げ出そうとした少女の右腕を、仮面の黒魔術師がむんずとつかんだ。 「待ちなさい」 「いゃ・・・。 許して・・・」 「あなたが望んだ事なのよ」 怖ろしいほど落ち着き払った冷静な声。 「許して・・・。 お願い」 「駄目よ。 もう、遅いわ」 そうして、そう言うなり、仮面の黒魔術師はその右手を少女の胸に深々と突き刺した。
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