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「いゃぁ・・・」
酷く、怯(おび)え震えた声で、そう叫ぶや否や、あわてて、立ち上がり、逃げ出そうとした少女の右腕を、仮面の黒魔術師がむんずとつかんだ。
「待ちなさい」
「いゃ・・・。
許して・・・」
「あなたが望んだ事なのよ」
怖ろしいほど落ち着き払った冷静な声。
「許して・・・。
お願い」
「駄目よ。
もう、遅いわ」
そうして、そう言うなり、仮面の黒魔術師はその右手を少女の胸に深々と突き刺した。
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