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「ところで、ハルにゃんはそれ知ってるのかなぁ?」
「放課後に話そうと思っているのですが、どう切り出そうかなぁと」
そう、それが放課後の一番の心配事なんです。
不思議探しで二人きりになった時ですら、あれだけ騒ぐあの涼宮さんがあっさり納得してくれるとは思えない。
鶴屋さんはお嬢様で立場上いろいろと会話技術もあるだろうし、なにかアドバイスをもらえたらいいなぁと。
「いいかい、その話は絶対にみくるからするんだ。キョン君にさせては駄目だよ」
鶴屋さんはさっきまでおちゃらけな雰囲気をがらりと変えて真剣な表情で言いました。
「は、はい」
たしかに、キョン君が話したら以前のように閉鎖空間で二人きりとか。
そんなのはいやだ。
「強気で話す、そうしないとハルにゃんにはぐらかされてしまうからねぇ」
「はい」
「じゃあ、放課後はキョン君をあたしが引き止めるからがんばるにょろ」
話は終わりとばかりに弁当からを片付けながら、態度をさっきのおちゃらけな雰囲気に変える彼女。
同じ年齢のはずだけどあたしにはまねできないです。
「そうだ、これからはキョン君の家で夕飯食べてうちに送ってもらいなよ~」
「そ、そうですね」
からからと笑う彼女をみるとなんだかうまくいく気がしてきました。
「自転車に二人乗りかぁ。青春だな、すこし妬けるねぇ。あはははは」
その光景を思い浮かべたあたしを指差して笑う彼女。
顔が真っ赤になってるのかなぁ。
悩んでいたあたしに元気と勇気をくれる鶴屋さんは、大切な親友です。
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