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「こんなふざけた指示に従えというのですか!」
「落ち着きなさい、古泉」
車内で森さんから渡された書類に目を通して、僕は怒りの感情でつい声を荒らげてしまった。
「あなたが嫌ならはずしてもいいわ。でもそうしたら他の人がそれをするだけ。誰が彼女を、いや彼女達を守るの?」
「・・・・・・」
冷静になれば森さんの言うとおりです。
でもこのまま実行するのは僕には荷が重過ぎる。
外から入ってくる車の風を切る音、対向車のライト。
僕は返す言葉なく外を眺めるしかない。
「わたし達も可能な限り協力する。いい、古泉。この指示には裏がある。それを見つけ出さないと問題は解決できないの」
硬い声。振り向くとそこには突き刺すような視線。
昨晩はキョン君と長電話してたので、鶴屋さんからメールが来ていたのに気が付かなかったのです。
言い訳ですけどね。
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