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この仕事で最初に貰ったテキストに書いてあったこと
「時空管理者が恋をした場合の選択肢は、記憶を失うか心を殺すことである」
高校卒業の後、元の時間にもどったわたしはがむしゃらに努力してそれ相応の権限を手に入れました。
そしてあの時代に干渉した結果、規定事項はすべて遵守、今の未来も確定してわたしの仕事は終わりました。
わたしに残ったのは、過去の記憶と現在の管理局トップとしての地位。
ここは広大な敷地にある図書館の館長室。
「機関の提案に対して、情報統合思念体は同調することにした。あなた達の結論を聞きたい」
「わたしたちも賛同します。今回の提案は、こちらにも利あるものですから」
話し相手は長門さん。
アカシックレコードとすら評されるこの図書館の館長をしている彼女の正体を知るひとは少なく、知る人にとってはこの建物の二つ名は皮肉ですらあります。
配属前の研修生として一度だけお会いしたときには、その後文芸部室で再会するなんて考えてもいませんでした。
今は、私の交渉相手であり今でも苦手だけれども親友のひとりです。
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