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この建物には、色々な時間の書物がある。
紙というものが発明されてから・・・・・・いや、文字というものが存在をしたときからのものか。
『文章にはその執筆者の内面がわずかでも含まれるものですからね』
あの懐かしい思い出の時間で、古泉一樹が言った言葉はわたしの考えと同じであった。
わたしと同じ情報統合思念体の作った観察者の報告書、時間を観察する者たちの報告書も存在する。
あと、これはわたしとそして現在の朝比奈みくると同じ立場にいる者しか知らないこと。
「平行世界の歴史書」
「存在していた時間の書物」
そう、今の時間平面には存在してはいけない書物もある。
あのとき、わたしは彼女に嘘を教えるべきだったかもしれない。
あれから一夜過ぎて。
朝、定期通信の内容を確認しています。
「1」
「システム更新のために通信が数日間不通になります。その間は各管理者の判断で対応してください」
「先に連絡していたとおり、各自転居をお願いします。住居確定後、速やかに連絡ください」
ああそうか、昨日通信しても返答がなかったのはそういう理由だったのかぁ。
でも『1』ってなんだろう。
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