挑戦

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転居かぁ・・・・・・今住んでいる所が契約更新の時期だからちょうどよかったかも。 そういえばこのまえ鶴屋さんに相談したときに  「それなら、あたしにまかせるさ~」 と言われたけどそのあとどうなったのかなぁ。 今朝にでも確認してみるかなぁ。  うん、できれば・・・・・・キョン君と一緒に帰れる範囲が良いなぁ。  あたしには、何より気になる一文があって、「現状維持で観察を続けてください」とのこと。  禁則事項だと聞いてはいなかったけど本当に良いのかなぁ、とつい首を傾げてしまうのでした。 「鶴屋さん、おはようございます」 「みくる、おはよう。きょうもかわいいねぇ~」  ハイキングコース(キョン君命名)の入り口付近で、鶴屋さんと鉢合わせです。 やっぱり朝から明るいオーラがあふれています。  昨日のことはお昼に話そうかなと思っていたら、鶴屋さんから話を切り出してきました。 「そうだ、みくる。この前の話、転居のことだけど、どうせだからあたしんちに住むというのはどうだいっ。」  鶴屋さんのご自宅はすごく広い屋敷で以前(みちるとして)お世話になってたこともあります。 「以前泊まってた、あれちがったか、うちの離れだったらみくるが住むには十分だと思うさっ。食事はせっかくなんでみんなで一緒に食べよう」 「じゃあ、お願いしようかなぁ・・・・・・」  使用人の方々も一緒に住んでいた彼女の屋敷ですが、そういえば食事はみんなで集まって頂いていました。 「ごはんはやっぱりみんなで一緒に食べたほうがおいしいから」という理由だと当時聞いたような気もします。 「それならさっそく明日にでも引越ししようか。うちまでキョン君なら自転車で来れる距離だから」  鶴屋さんの勘のよさにすこし驚いたり。 まだ何も話していないのにキョン君の名前が出るのだから。
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